土の中の節足動物たち

節足動物(せっそくどうぶつ)は5億年以上前の海で誕生したと考えられ、その後、地球上のあらゆる環境へと進出し、現在もっとも繁栄している動物であると言われます。非常にたくさんの種類がいる節足動物は、大きく5つのグループに分けることができます。
1つは三葉虫類(さんようちゅうるい)で2億4000万年前頃に絶滅してしまいました。残る4グループが、昆虫類、甲殻類、多足類、鋏角類です。土の中で暮らす節足動物を観察するとこの4グループの全てを見ることができます。



・昆虫類(こんちゅうるい)
胸に3対のあしをもち、六脚類とも呼ばれます。頭には1対の触角があります。節足動物の中でもっとも多種多様なグループです。空中を含めたあらゆる陸上環境と淡水中に見られますが、海中に生息する種類はいません。昆虫類は4億年以上前に陸上へ進出した甲殻類の一種から進化したと考えられており、化石でも海産種は見つかっていません。


・甲殻類(こうかくるい)
触角は基本的に2対、あしの本数はさまざまです。甲殻類というとエビやカニ、ヤドカリなどがまず思い浮かびますが、他にもプランクトンの代表格であるミジンコ、ケンミジンコや、海岸や海中の岩にくっついているフジツボなども甲殻類に含まれ、姿形のバリエーションに富んだグループです。水中で大繁栄をとげた節足動物ですがダンゴムシのように陸上で暮らす種類もいます。


・多足類(たそくるい)
頭に1対の触角をもち、長い胴にはたくさんのあしがあります。地上と地中にのみ生息する節足動物です。肉食のムカデ類、主に落ち葉など食べるヤスデ類の他に、土の中に生息する小さな動物であるコムカデ類とエダヒゲムシ類がいます。約3億年前のヤスデのなかま「アースロプレウラ」は体長約1.8 mと予想され史上最大の陸上節足動物といわれます。


・鋏角類(きょうかくるい)
触角がありません。あしは元々5対ですが、一番前の1対はクモやダニでは小さくなっていて目立たず、逆にカニムシやサソリでは獲物を捕まえるための大きなハサミになっています。カブトガニなどごく一部の海産種がいますがほとんどが陸生です。古生代に繁栄したウミサソリ類は最大で体長2.5 mに達する史上最大の節足動物です。