土の中のミクロの世界

動物はみな何かを食べて、生きていくためのエネルギーを得ています。地上では、草食動物は植物を食べ、肉食動物は他の動物を食べます。生き物のなかで植物だけが何も食べずに、水と空気と光からエネルギーを作り出すことができるのです。だから草食動物はもちろん、肉食動物も元を辿れば植物が作り出したエネルギーに頼って生きていることになるのです。



では光の届かない土の中の生き物たちは何を食べて生きているのでしょう?


 まず生きた植物の根を食べるコガネムシの幼虫や、植物の根から汁を吸うセミの幼虫などは地中の「草食動物」です。そしてクモやトゲダニ、ムカデ、ゴミムシなどなど、他の動物を捕まえて食べる「肉食動物」もいます。でも土の中で一番たくさんいるのは落ち葉などの枯れた植物や動物の死骸を食べる「腐食性」の動物たちです。

地面に落ちた落ち葉はまずダンゴムシやヤスデのような大きな動物たちに食べられてバラバラになり、さらにトビムシやササラダニのような小さな動物たちが食べてさらに細かく砕かれます。最終的には菌類などの微生物の食べ物になって土に還っていくのです。このように動植物の遺がいが小さな生き物に食べられて土になっていく作用を「分解」といいます。


土の中の「分解者」たちがいなければ枯れた植物や動物の死がいはなかなか分解されずいつまでたってもそのまま残っていることでしょう。土の中の小さな動物たちは自然の中の掃除屋さんなのです。